Interview 013

子どもの頃からの夢が不思議と叶っているみたい

「玉島中央店 パートスタッフ」 大橋 佳代子さん

ロゴ

お店で人生の話や、教訓を教えていただく時間が楽しいんです

レトロな町並み、昔ながらの商店が残る港町、倉敷市玉島。北前船の寄港地で、多くの商人で賑わった港町として知られています。

店構えから歴史を感じるおはぎ屋や、向かいにはタテソースでおなじみの豊島屋がある通りに、キムラヤ玉島中央店も並んでいます。

キムラヤの赤いロゴ看板も、昔ながらの通りになじんでいます。お店に入ると、その雰囲気からすでに、アットホーム。

今回お話を聞くのは、キムラヤ玉島中央店パートスタッフ、大橋佳代子さんです。

慣れた手つきでトレイを拭き、パンを並べていく大橋さん。それもそのはず、キムラヤ玉島中央店で2003年11月から働いているベテランスタッフです。

長く働いているキムラヤの話はもちろん、子どもの頃の夢、プライベートの時間の過ごし方などを伺いました。

「うまくしゃべれるか、緊張しますね」と話されていましたが、明るい笑顔が絶えない大橋さんに元気をもらう、そんな取材となりました。

社会福祉に貢献するのがずっと夢だった

――キムラヤ玉島中央店で、2003年から働いておられるのですね。すごい!

大橋:そうなんです。今、下の子は大学生なんですけど、その子が幼稚園に通っていた時期に働き始めました。

幼稚園にはバスで通っていたので、見送りを終えてから出勤するシフトがちょうどよかったんです。車で10分ちょっとで、通勤もちょうどいいなと。

あとは、過去に大人数で働く職場で人間関係の面で苦労したことがあり、少人数で働ける職場を探していました。

キムラヤ玉島中央店は、こじんまりとした店舗なのでいいなと思ったんです。

――16年も働かれているということは、大橋さんにぴったりな職場だったということですね?

大橋:そうなんです!ここで働くことができて、すごく良かったなと思ってます。

店長は、仕事の上でも、子育ての上でも先輩。子育て中、シフトの融通をきかせてくださったりと助けられました。

ひとりで店頭に立つこともあり、仕事を任される責任ももちろんありますが、美味しいパンに囲まれて、楽しく仕事ができています。

ただ、1年に1kgずつ体重が増えているんですよ。16年で、16kg!

今日の取材では写真撮影もあると聞いたので、3kgぐらいダイエットできるかな!?と思ったんですけど、間に合いませんでした(笑)

――2週間で3kgはかなり厳しいかもしれませんね(笑)でも、体重の分だけ、キムラヤのパンへの愛も増しているとわかるエピソードです。

大橋:1年で1kgずつなんて自分でも驚きですが、お客さんとの会話のきっかけになったりするんですよ。

私と同じようにダイエット中だけどパンが食べたいという女性には、サイズが小さめでカロリーが低めの桜あんぱんをおすすめしています。

あんこがあっさりしていて、桜の塩漬けがアクセントになって美味しいんですよ。

ご高齢の方には、ふわふわのちぎりパン、2020年発売のよもぎパンやチーズの山をおすすめしています。私もお気に入りのパンです。

接客の仕事は若いときから大好きなんです。レストランや食堂、カラオケボックスで働いたりしていました。

大学を卒業後は老人ホームで働き、おじいちゃん、おばあちゃんたちが在宅復帰を目指すリハビリをお手伝いしていたんです。

そこでも、おひとりおひとりとの会話が楽しみでした。

――老人ホームではどれくらい働かれていたのですか?

大橋:3年ほどです。おなかが大きいまま働くのが不安で、妊娠を機に退職しました。

老人ホームで3年働くと、介護福祉士の試験が受けられるはずだったんです。「がんばったら?」と上司が言ってくれていたんですが、悩んだ末、子育てを優先しました。

私、子どもの頃から、「社会福祉に貢献すること」が夢だったので、介護福祉士の資格は取りたかったんですが・・・。

――夢だったからこそ、すごく悩まれたでしょうね。「社会福祉に貢献する」という夢をもつきっかけは何かあったんですか?

大橋:なんでしょうね・・・。小学生の頃から福祉に興味があったんです。

ずっとおばあちゃんも一緒に暮らしていたことが、影響しているかもしれません。

器用なおばあちゃんなんですよ。真田(さなだ)組みといって、麦の茎を平たく潰したものを編んでいくのがとても得意でした。

真田は麦わら帽子などの材料になるもので、岡山県南西地域の特産でした。私が暮らしている浅口市金光町でも、昔はたくさんの人が作っていたんです。

おばあちゃんの真田づくりをお手伝いするのが大好きでした。組んだ真田を回して、ぺったんこにしたり、近くの集積所に持って行ったり。

ほかに、時代劇を一緒に見たり、戦争の話を聞いたり。おばあちゃん子でしたね。

――幼い頃からのおばあちゃんとの絆が、「社会福祉に貢献する」という夢に繋がっているのかもしれませんね。

大橋:玉島中央店はご高齢なお客さんが多くて、おひとりおひとりの人生の話や、教訓、いろいろ教えていただいているんです。

その時間が楽しいし、ためになるなぁと思うんですよね。

常連さんの元気なお顔を見て安心して。私の休みが続くと、「辞めたんじゃないんじゃろ?」と心配してくださったり。

顔見知りになると、「高級食パンを食べたけど、やっぱりキムラヤのパンがいいね、浮気してごめんねぇ」なんて冗談まじりに教えてくれるようになって、嬉しいんですよね。

子どもの頃の夢、やりたかったことが、ある意味、叶っているのかもしれません。

仲間や家族と絆を深める私生活

――休みの日はどんな風に過ごしているんですか?

大橋:バレーボールチームの練習に、週1~2回、参加しています。

子どもがみんな同じ小学校出身となる保護者の有志で結成したクラブチームです。

年代は30代から50代くらいかな、みんなで楽しく体を動かしてます。

市の大会や、町の大会にも出場してるんです。まだ優勝したことはないですが、準優勝になったことはありますよ。

みんなでわいわいするのが楽しいですね。

――和気あいあいとしていそうで、いいですね。

大橋:あとは、中四国地方、わりと近場を家族で旅行するのも好きです。

最近だと、温泉が好きな両親やおばもいっしょに、湯郷温泉に行きました。足湯につかったり、まち歩きもしました。

この写真は、その時のもの。美作地方に伝わる大男伝説、三歩(さんぶ)太郎が現れるからくり時計です。

子どもたちと休みが合ったので、2月くらいには香川のこんぴらさんに行きました。

「奥社」まで上がったんですよ!

――奥社まで行かれたんですか、すごい!私は本宮で引き返しました。

※こんぴらさんの階段の数は本宮まで785段、奥社まで1,368段です。

大橋:ここまで来たからがんばって登ろう、もう一生、行けるかわからない!とがんばりましたよ。

奥社でしかもらえないお守りを手に入れることができました。

ほかにも、新見であまごを釣って食べたり。

近場でもいいところがいっぱいあるから、休みを見つけては出かけています。

また時期を見て、行ったことがないスポットにも出かけたいですね。

「子どもたちとの思い出づくりを」という気持ちがきっかけで旅行が好きになりましたが、子どもたちが成長してからは、高齢になった両親と思い出をつくりたいと思って出かけることが多いです。

自然豊かでのどかな中四国地方を、家族と一緒に元気に旅することができるありがたさを、私自身、改めて実感しています。

取材を終えて

明るい笑い声が印象的であるとともに、聞き上手でもある大橋さん。ついつい自分のことも話したくなるような、親しみやすい雰囲気があります。

私自身も旅行が好きで、こんぴらさんも湯郷温泉も行ったばかりということもあり、旅行の話は特に盛り上がりました。

新見のあまご釣りには行ったことがないので、また行ってみたいと思います。

大橋さんにとって、家族旅行でも、お客様ひとりひとりとの会話でも、「絆」をとても大切にされているのだなと感じました。

大橋さんは今日もそれぞれの生活に心を寄せ、お話を聞き、ぴったりのパンを提案してくれます。

ぜひ、大橋さんがいる、ちょっとレトロでアットホームなキムラヤ玉島中央店に行ってみてくださいね。

大橋さんおすすめパンのコーナー

1位 桜あんぱん

桜の塩漬けがのったあんぱん。小さい分、カロリーが低めであんこがあっさりしているので、ダイエットをしている方にもおすすめ!

2位 バンズ

表面の砂糖がカリッとアクセント。レーズンが入っています。

3位 よもぎパン

ふわふわしていて食べやすいのでご高齢な方にもおすすめ。2020年に発売開始。

Writer

こばん

岡山県浅口市在住。日本全国をカブで旅するフォトライター。大阪府出身。 好きなキムラヤのパンは「チーズの山」。


関連記事Recommend

Interview 015


子供のころから大好きだったパンを仕事に

「倉敷幸町店 パートスタッフ」北村さんのひととき

Interview 027


「おいしい」の思い出を次の世代の子供達にも味わって欲しいから。

「和気駅前店 パートスタッフ」鈴木 昌子さんのひととき

Interview 024


Jリーグの歓声も聞こえてきます

「ハイスクール ベーカリー店 アルバイトスタッフ」小倉 敏恵さんのひととき

PICK UP KEYWORD