
Interview 017
ピアノの先生と、10年を超えるキムラヤのパンの思い出
「横井店 パートスタッフ」駿河 和恵さんのひととき
「周りを明るくしたいから、まずは自分が笑顔でいるんです」
岡山県の南端、瀬戸内海に面した玉野市。香川県直島や小豆島行きのフェリーが出ている宇野港がある港町です。
海辺のまち玉野の中心地、玉野市役所のすぐそばに、キムラヤのパン玉野店はあります。
この日は雨。傘をたたんでお店に入ると、女性スタッフの方が「いらっしゃいませ!」と元気よく声をかけてくださり、気分が晴れやかになりました。
その声の主が、キムラヤのパン玉野店パートスタッフ、難波瑞恵(みずえ)さん。
よく通る高めの声で、ゆっくり優しく話してくださる難波さんは、まさに「癒し系」。
キムラヤ玉野店で2013年から働いているベテランスタッフです。
「私は、若い子に取材してって、言ったのよ~」と笑いながらも、キムラヤのパンとの思い出や、明るく元気に過ごす秘訣などを、快く話してくださいました。
――キムラヤで働くことになったきっかけは?
難波:ちょうど仕事を探していたタイミングで、働きたかった昼の時間帯で募集を見つけたので、応募したんです。
ほら、パン屋で働くって、イメージが素敵でしょう?
パンが大好きだし、昔から食べていたキムラヤのパンに囲まれて仕事ができるなんて、幸せだろうなと思って応募したんですよ。
――キムラヤのパンを昔から食べていたということは、難波さんは岡山で育ったんですね?
難波:はい、今はここから車で20分くらいの岡山市内で暮らしているんですが、子どものころは倉敷市児島に住んでいました。
キムラヤ玉野店は「直営店」なんだけど、「専売店」といって、昔は個人の商店でキムラヤのパンを扱うお店が今よりたくさんあったんですよ。
児島にもそんなお店があって、よく通っていました。今はそのお店はなくなっているんですけどね。
――難波さんのお気に入りのパンはあったんですか?
難波:子どもの頃から、バナナクリームロールが大好きでよく食べていました。きっとみんな大好きですよね!
今はもう見学の受け入れはしていないんだけど、小学校の社会科見学の授業で、キムラヤのパン工場に行ったことがあるんです。
そしたらお土産に、できたてのバナナクリームロールがもらえたんですよ!
子ども心に「これは貴重だ!」と、すごく嬉しくて、感動して。
「家に帰ってお母さんと半分こして食べよう」と思って、その場では食べずにリュックに入れて持って帰ったんです。
そしたら、ふかふかのパンが、リュックの中でぺちゃんこになってしまっていて。あの時は悲しかった・・・。懐かしい思い出です。
――でも思い出のパンに囲まれて働けるって、素敵ですね。
難波:パンといえばキムラヤというくらい身近な存在だったので、常連さんの気持ちもわかります。
同じ曜日や、2~3日に一度、必ず食パンを買いに来られるお客さんや、電話で定期的に取り置きのお願いをしてくださる方もいらっしゃいます。生活の一部なんですね。
私のおばあちゃんは桜の塩漬けが真ん中にのっている「桜あんぱん」が好きでよく買っていました。それぞれの人にとって、お気に入りのパンと思い出があるのがキムラヤですね。
――難波さんのおすすめ商品を教えてと言われたら、どの商品を選びますか?
難波:やっぱり、バナナクリームロールがおすすめだけど、2019年11月に販売開始になった「バナチョコロール」もすごくおすすめです。クリームがチョコレートとバナナの二層になっているんです。
おかやまマラソンでランナーに配った時は、パン生地にチョコが練りこまれていてパンの色も黒かったんですよ。その時に話題になり、今では定番商品になってます。そんなエピソードもいいですよね。
ベーカリーの中では、やっぱりサンメロン。できたては特に美味しくておすすめです。
おすすめのサンメロン(メロンパン)は、取材前は店頭に7個ほど並んでいましたが、30分後、お店を出るときには残り2個になるほどの人気ぶりでした。
私も迷わず購入。外側はカリッと、中はふわっふわ。
ほんのりと香るバターの風味がたまりません。
キムラヤのパンについて聞くと、目を輝かせて色々と教えてくださる難波さん。お仕事以外の時間はどんな風に過ごしているんでしょう。
――休みの日はどんな風に過ごしているんですか?
難波:休みの日は、近くに住んでいる孫と遊ぶのが楽しみなんです。
ボール遊びをしたり、動物園に出かけたり。この写真は、玉野にある渋川動物公園に行ったときに撮りました。
ポニーにこんなに近づけるんですよ!
5歳、4歳、2歳、5ヶ月の4人の孫がいます。ほんと、子どもの成長ってあっという間で驚いちゃいますね。
――かわいい写真ですね。4人のお孫さんが! お子さんは何人いらっしゃるんですか?
難波:子どもは3人です。今は主人と末っ子の娘と3人で暮らしています。
子育てをしていた頃はバタバタしていましたよ。「趣味は?」って聞かれても、「趣味って?」という感じで、思い浮かばなかったです。
子どもと遊んでいたのが、孫と遊ぶようになって。今でも家族と過ごすのが、自分にとって楽しい時間ですね。
――ちなみに、家庭の定番メニューというのはありますか?
難波:そうですねぇ、オムレツをよく作ります。私が作るオムレツは、包まないんですよ。その方が簡単だし、卵が具に絡んで美味しいんです。
卵にはお砂糖とお塩を入れて、ちょっと甘めにして、具は何でも、ミンチや、にんじん、しいたけ、彩りには、ねぎがいいかも!
主人はウスターソースとマヨネーズで食べることが多いですね。娘はケチャップをかけたり。
それぞれの食べ方でOK。そのまま食べても味がついていて美味しいんですよ。
――美味しそう! 難波さんの優しい雰囲気は、きっとご家族との団らんあってのものなんですね。
難波:「明るいおばあちゃんでいたい」と思っていて、笑うことを心がけています。「悩んでいても、仕方ない!」って思うんですよね。
笑顔ってそれだけで、その場が明るくなりますよね。周りを明るい空気にしたいっていつも思ってます。
その心がけのおかげか、忙しかったはずの子育て時代も、つらい思い出には全然なっていないんです。
キムラヤのパンや、ご家族と過ごす時間について、目を輝かせてお話をしてくださった難波さん。
初対面でも自分のことをいろいろと話したくなる、親しみやすい優しいオーラがありました。
「笑顔で周りを明るくしたい」という難波さんの気持ちはきっと、家庭でも、キムラヤでのお仕事中でも同じなんだろうなと感じました。
日常の食に寄りそうキムラヤのパン。難波さんの笑顔にほっとする常連さんがたくさんいらっしゃるに違いありません。
忙しい日常の中でも笑顔を忘れずにいれば、自分も周りも前向きな気持ちになれると教えていただけました。私も笑顔、実践します!
ぜひ、難波さんの笑顔に会いに、キムラヤのパン玉野店に行ってみてくださいね。
1位 バナチョコロール
バナナクリームとチョコクリームを合わせた2019年の新商品が、バナナクリームロールを抜いて1位に。
2位 バナナクリームロール
まさに「岡山のソウルフード」、難波さんのぺしゃんこバナナクリームロール事件のように、多くの県民の思い出を作ったであろうロングセラー商品。
3位 サンメロン
焼きたてが特におすすめ。ふわふわメロンパン。
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