Interview 020
出来立てのパンと一緒に笑顔を届ける
「高屋店 パートスタッフ」高橋 優子さんのひととき
キムラヤの工場の敷地内にあるキムラヤ倉敷工場売店。
工場併設ということで、キムラヤ随一の取り扱い品目数を誇ります。
席数の多いカフェスペースもあり、駐車場も多いです。
倉敷工場売店は毎日たくさんのお客さんがやってくるキムラヤの基幹店舗でもあります。
そんな倉敷工場売店で働く兼川 奈央(かねかわ なお)さんは、店長も一目置くスタッフです。
生粋の読書家で好奇心があふれるという兼川さんは、アイデアを駆使して仕事を覚えたり、イーゼル(立て看板)をつくったりしているそう。
そんな倉敷工場売店のスタッフ・兼川さんに話を聞いてみました。
――まずは子供時代や学生時代のことからうかがいます。昔、熱中していたことや部活動などはありますか?
兼川:部活動はしていませんでしたが、熱中していたのは読書とテレビゲームですね。とくに読書は好きです。
――どういったジャンルの本を読んでいたのでしょうか?
兼川:歴史小説が好きです。あと雑学本も読んだりします。
――読書といえば恋愛小説や推理小説などを読むイメージがあるのですが、歴史小説や雑学本が好きになったのはなぜでしょうか。
兼川:私、好奇心が強いんですよね。雑学とかいろいろな知識や情報を知るのが楽しいんです。歴史小説も雑学本も、いろいろな発見があっておもしろいのが理由かな。
――たとえば今まで読んだ本の中で、心に残った名作、ぜひ読んで欲しい作品などを挙げるとすれば?
兼川:それは断然、曲亭馬琴の『南総里見八犬伝』ですね! 数奇な運命に導かれた他人が結集して、敵に向かっていくというストーリーは、現代でも通用する面白さだと思います。
――『南総里見八犬伝』は、教科書にも出てくる有名な物語ですね。たしかに現代の小説や漫画・ゲームなどにも影響を与えていると思います。
兼川:何度読んでもおもしろいです。自分の子供にもすすめたい作品だといえます。
里見八犬伝は、子供向けのものだったりいろいろ読みやすくしてあったりしているので、子供から大人まで楽しめるのが魅力ですね。
私も最初に里見八犬伝を読んだのは、小学生のときですから。
――最近も本を読んでいますか?
兼川:実は、今は子育てが忙しすぎてあまり読めていないんですよ。
でも子育ても大変ですが楽しいので、今は子育てが趣味みたいなものですね(笑)。
――続いて、キムラヤで働くことになったきっかけをうかがいます。
兼川:家から近かったのが理由ですね。というのも、就職難の時代でなかなか思うように仕事が決まりませんでした。
ですから、とにかくたくさん面接を受けようと思って、いろいろ求人に応募していたんです。その中のひとつがキムラヤでした。
そしてキムラヤに採用されたので、働き始めました。でも働くことになったのは、募集していた店舗じゃないところだったんですけどね(笑)
ちなみに、現在の倉敷工場売店ではなく、岡山の店舗でした。
――倉敷工場売店ではなかったんですね。
兼川:当時は岡山市内に住んでいたので。
そのあと結婚して倉敷に引っ越したんですが、岡山の店舗まで通っていたんです。
その後、出産・育児休暇が終わって、当時の上司から家庭のことも考えて倉敷工場売店への異動を勧められて。
それで、今の倉敷工場売店で働くようになったんです。
――当時の上司のかたは、兼川さんの家庭環境まで考えていたのですね。ちなみに、キムラヤで働くまで、同じような接客の仕事をしていたのでしょうか?
兼川:実は接客の経験は学生時代のアルバイト程度で、ほぼ未経験に近い状態です。
接客というか小売店自体が初めてで。それまでは学校を卒業して事務職をし、その後は長く製本会社の現場で働いていました。
――でしたら、キムラヤで働き始めたときは大変だったのでは?
兼川:正直、大変でした。一番苦労したのは、袋に入っているベーカリー商品。
袋入りの商品はバーコードが付いているので読み取るだけなんですが、ベーカリー商品のときはパンを見て、レジにあるバーコード一覧表から該当するバーコードを探し出して読み取らなければなりません。
でもパンを見ただけで、どのパンなのかがわからないんですよ。よく似たパンもありますし……。
――たしかに、それは大変ですね。どうやって克服したんでしょう?
兼川:自分用のメモというか、分類表みたいなのをつくって、時間があるときに見ていました。
会社からも表みたいなものはもらえたのですが、一度自分なりの表をつくって、頭の中で情報を整理してみたんです。そしたら覚えやすかったので。
――まるで受験生のようです!
兼川:そうですね(笑)。やっぱり手も動かしたほうが覚えやすかったです。
あとは、レジ打ちも慣れていなかったので、手が震えていましたね。
同僚からも手の震えがわかったようです(笑)。ほかに苦労したのは、食パンのスライスです。
――食パンのスライスは技術がいりそうですね。
兼川:そうなんです。それまで食パンを販売するときにスライスするとは思わなかったので。
これはもう慣れというか、体で覚える感じ。しかも店によって、同じスライサーでもクセが違うんですよね。
それはそれでおもしろいと思います。
――長くキムラヤで働かれていますが、キムラヤで働いてみて良かった点や、魅力などを教えてください。
兼川:読書の話のときでも言ったように、私は雑学好きで好奇心が強いです。
そんな私にとって全く未知だったパン屋の世界は、知らない新しい知識の宝庫です。
仕事は大変ですが、大変な中にも新しい発見の連続で楽しかったですね。
――たしかに、働いてみないとわからないことがあります。
兼川:お客様との会話のときに、ちょっとした知識を話してみると盛り上がったり、教えてくれてありがとうと感謝されたりします。
たとえばパンに対する表現で「リッチ」や「リーン」という言葉がありますが、ご存じでしょうか?
――「リッチ」は聞いたことがありますが「リーン」は初めて聞きます。
兼川:私もキムラヤで働き始めて知りました。パンに対して「リッチ」とは「豊かな」という意味で、いろいろな材料を使っているパンを指します。
「リーン」は「素朴な」という意味で、基本材料くらいしか使っていないシンプルなパンのことなんですよ。
――それは知りませんでした!
兼川:キムラヤの前に働いていた製本会社も、本が好きだから本ができるところを知れたのがうれしかったです。
今働いているキムラヤは、元々パン好きだったわけではありませんが、さまざまな発見が多いので楽しいですね。
――未経験の分野でしたが、実際働いてみると自分に合っていたのですね。
兼川:そう思います。最初はいつまでできるか不安でしたが、案外自分に合っているなと。気付いたら長く働いていますね。
※画像は2021年4月のもの
小さなころから読書家で好奇心旺盛だったという兼川さん。
キムラヤで得られた知識を話すときは、とても楽しそうでした。兼川さんにとって、キムラヤは非常に楽しい職場のようです。
お客様からの質問にも的確かつ楽しそうに説明してくれるとのことで、倉敷工場売店の店長からの信頼も厚いそう。
店のイーゼルを担当することも多く、アイデアマンの兼川さんらしいイーゼルが日々店頭に並んでいます。
倉敷工場売店を訪れたときには、兼川さんのつくったイーゼルもぜひ見てみてください。
1位 スネーキ
シンプルで控えめな甘さ、個性的な見た目が印象的。渦巻状の形が個性的ですが、実はこの渦は職人による手作業でつくられています!
2位 桜あんぱん
生地のほどよい薄さ加減がちょうどいいです。こしあんの上品な甘さと、桜の塩漬けの塩味のハーモニーが絶妙。
3位 ピロシキ
中に入っているうずらの卵がポイントです。
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