「おいしい」の思い出を次の世代の子供達にも味わって欲しいから。 | ず~っと、幸せなひととき

Interview 027

「おいしい」の思い出を次の世代の子供達にも味わって欲しいから。

「和気駅前店 パートスタッフ」鈴木 昌子さん

ロゴ

「何かのついでに買いに」ではなく、「キムラヤのパンを買いに」わざわざお客様が来店してくださる。それがとっても嬉しいんです。

道路に面した小さなお店に、店番をしているのはたった一人。

そこへお客様は途切れなく笑顔でやってくる、おかやまキムラヤ和気駅前店。

パンを選びながら聞こえてくる声は、どれも皆さんが顔見知りで毎日のようにパンを買っているのがわかる温かいもの。

そんなお店で働くのが、鈴木昌子(すずき まさこ)さんです。

勤続16年目(2022年3月現在)である彼女の接客はまさにベテラン。

よく通る真っ直ぐな声が「いらっしゃいませ」と出迎えてくれ、「ありがとうございました」と見送ってくれるのは接客の基本でありながらもなかなか難しいことですよね。

そんな鈴木さんにキムラヤのパンで働き始めたきっかけや、接客にかける想いをお聞きしました。

パン作りにハマり、レパートリーを増やしたくて入った生粋のパン好き。

——勤続16年ってすごいですよね。キムラヤのパンで働こうと思ったきっかけはなんですか?

鈴木:もともとパンが好きだったのですが、子供が生まれてから子育て中にパン作りにハマったのがきっかけですね。

食パン、惣菜パン、ピザ、などなど素人で手を出せるものは何でも作りました!

そこから単純に「パン屋さんって楽しそう!」と思いキムラヤへお世話になることに。

—— パン好きが高じてお仕事にまで!すごいです!鈴木さんがお家で作られるパンで自信作はなんですか?

鈴木:ピザかなぁ?子供が小さいときの日曜日のお昼ごはんといえば必ずこれでした。

あと、ハム&オニオンに似たものも作っていましたね。ベーコンとか入れて。

家族にも好評でいつもぺろりと食べてくれていましたよ。

——うわぁ、いいですね。聞いてるだけでお腹が空いてきます。

鈴木:実はキムラヤにお世話になることで、パンのレパートリーが増えたらいいな、なんてことも思っていたんです(笑)

——それは趣味と実益が兼ねられた素敵な野望ですね(笑) 

 実際働き始めていかがでしたか?

鈴木: それが最初はもう全くダメで。「パン屋さんって楽しそう!」なんて思いはいきなり打ち砕かれちゃいました。

サービス業ってただでさえ難しいのに、私、その時初めて外で働いたんですよ。

慣れないことばっかりで、お客様を怒らせてしまったこともあって。

もう「私は社会に適合できないかもしれない!!」って深く落ち込んだこともありました。

 ——ええっ!今の鈴木さんの接客から、とても想像できないです。お客様お一人お一人に向き合われた、とても元気で丁寧な接客をされていますよね。

鈴木: ありがとうございます。そう思ってもらえるようになったのも当時の店長のおかげですね。

箸にも棒にも引っかからなかっただろう私を、本当に根気強く教えてくれたことにすごく感謝しています。

そこから16年ですから、だんだんと慣れてお客様に喜んでいただける接客ができてきたように思います。

 ——素敵なお話ですね。

鈴木: だからこそ、この思いや教えていただいたことは、次の人へしっかり伝えていきたいなって考えています。

「やっぱりキムラヤのパンは美味しい」10年後20年後もその声が聞きたいから。

——働いていて、やりがいを感じるのはどんな時ですか?

鈴木:やっぱりお客様に喜んでいただけた時ですね。

地元の皆様の「やっぱりキムラヤのパンは美味しい」という声に支えられています。

「なつかしい!学生の時、このパンばっかり食べてた」とか、

「県外の娘が食べたがるから、送ってやろうと思って」など、

そういった声を聞くたびにキムラヤのパンって地元に愛されているんだなぁと感じます。

——たしかに、キムラヤのパンって小さな頃から当たり前にそばにありますよね。

鈴木:そうなんですよ。みんなの思い出の味ですよね。

 ——遊びに行くたびに祖母が買っておいてくれたのを思い出しちゃいました。

反対に、辛いと感じることはありますか?

鈴木:辛い、というか、大変なのはやっぱり朝一番かな。

朝は並べながらお客様の対応もしなくちゃいけないから、うっかりすると笑顔が無くなりそうなんですよね。 

時間との戦いというか。パンを並べても並べても無くなっちゃう(笑)

でも、朝の活力にって買ってくださるお客様の姿にこちらも元気をもらいますね。

——  素敵ですね。きっとお客様も鈴木さんの笑顔にパワーをもらっていると思いますよ。

鈴木:うふふ。そうだといいな。

これだけ地元に愛されているキムラヤのパンだから、 10年後、20年後もお客様の嬉しい声が聞こえるようでいてほしいです。

年配の方はもちろん、ちびっ子にも。

「おいしい」っていう経験をキムラヤのパンで味わってもらって、大人になってもそれを思い出してもらえる存在でいてほしいです。

——本当にそうですね。今、私も含めて世代を超えて「思い出の味」になってますから、更に次の世代にも味わってほしいです。

鈴木:本当に。毎日側にある存在でありたいし、次の世代にも親しんでもらえるよう大切にしていきたいです。

その為に私のできることを次の人へ伝えていきたくもありますね。

お店の外にボードがあるんですが、それも私が描いてるんです。

接客だけじゃなくそういったお店の雰囲気も含めて、「またキムラヤのパンに行きたい」と思ってもらえるようにしたいです。

わざわざ「和気駅前店」に来てくれる。そんなお客様に感謝の気持ちで接客したい。

——キムラヤで働かれていて、「和気駅前店ならではだなぁ」とおもうことはありますか?

鈴木:今はコロナ禍の煽りを受けて難しくなってしまいましたが、「県外からここを目指してお客様が来る」ことでしょうか。

岡山県で一番東に位置する直営店なので、関西方面からもご来店頂いていましたよ。  

——関西方面から!それはすごいですね。

鈴木:和気にはもともと片上鉄道という鉄道路線があったんです。

それを、廃線になった後「片上ロマン街道」としてリニューアルし、サイクリングロードが作られたんです。

最近の自転車ブームで、県外からもたくさんのお客様がそこへ走りに来られてたんですよね。

そういう皆様が、ネットで検索してわざわざ「キムラヤのパン」を買いに来てくださるんです。

 ——今はネットの口コミが強いですもんね。

鈴木:そうなんです。車の上に自転車を積んで、ここを目指してきてくれるっていうのがわかるから嬉しいですよね。

地元のお客様と同じように、一人一人「来てくださってありがとうございます」という感謝の気持ちで接客していきたいと思っています。

 ——県外のお客様にも早くまた笑顔でお会いできる日が来てほしいですね。

鈴木:そうですね。「また食べたい」と思ってもらえるようなお店であり続けたいです。

インタビューを終えて

ドアを開けた瞬間から、まぶしい笑顔で出迎えてくださった鈴木さん。

よく通るまっすぐな声と暖かい接客は、一生懸命積み上げられた努力のたまものでした。

そのいつも変わらない笑顔は、キムラヤのパンのいつも変わらない味と共に和気駅前店に来られるお客様のより所になっているんだろうなと感じさせてくれました。

またたくさんの笑顔を鈴木さんが迎えられる日が楽しみですね。

鈴木さんおすすめパンのコーナー

1位 あんドーナツ

キムラヤのドーナツ生地はバツグンに美味しいですよ!

2位 つぶあんマーガリンロール

あんドーナツもそうですが、キムラヤはパン屋さんなのにつぶあんの味と食感が最高なんです!

3位 サンメロン

間違いない美味しさです! 

(※本記事の画像に写っている価格は2022年2月1日の価格改定以前のものです)

Writer

下原 弥子

岡山県倉敷市出身、岡山市在住。フリーのイベントMC/企業広報/ライター。「言葉」に関する何でも屋として、日々ときめきを大事に発信しています。趣味は大量の料理やお菓子を作り人に食べてもらうこと。好きなキムラヤのパンは「スナックサンド」と「ピーナツロール」。


関連記事Recommend

Interview 025


つながりを創り、愛されるおもてなし

「表町一丁目店 パートスタッフ」河原 弓子さんのひととき

Interview 018


小さなころから感じていたパンへのあこがれ

「笠岡駅前店 パートスタッフ」湯淺 真理子さんのひととき

Interview 007


朝の慌ただしい岡山駅に安心感をとどける

「岡山駅地下店 パートスタッフ」佐々木 彩さんのひととき

PICK UP KEYWORD